契約書でよく見る「期限の利益喪失」って?社長のための基本知識

契約書でよく見る
「期限の利益喪失」って?
社長のための基本知識
こんにちは、円満契約サポートセンター行政書士の西澤です。
今回は、支払いを受ける側の経営者、つまり売上代金・報酬・貸付金などの回収を行う立場の方に向けて、「期限の利益喪失条項」の基本をわかりやすく解説します。
■「期限の利益」って何?
まず、契約書でよく出てくる「期限の利益」とは、
分割払いや支払期日を守っている限り、相手に一括請求できないというルールのことです。
たとえば、
- 商品代金を12回分割で払う契約
- 業務委託料を毎月支払う契約
- 融資金を毎月返済する契約
これらでは、支払者(取引先・借主)がルールを守っている限り、一括請求はできません。
これが「期限の利益」です。
■「期限の利益喪失条項」とは?
これに対し、「期限の利益喪失条項」は、
相手が一定の条件を満たした場合に、残額を一括で請求できるようにする条項です。
契約書には例えば、こう記載されます。
第◯条(期限の利益の喪失)
乙が次のいずれかに該当した場合、甲は乙に対し、残額の一括請求を行うことができる。
- 支払を一回でも遅延したとき
- 手形・小切手が不渡りになったとき
- 差押・仮差押、破産・民事再生等の申立てがあったとき
つまり、
相手の支払遅延や信用不安が発生した場合、
分割払いを認めず、すぐに全額の支払いを求められる強力な武器になるのです。
■なぜ売掛先・取引先に入れておくべきか?
✅ リスクの早期回収ができる
倒産の兆しが見えた相手に対して、一括請求できなければ回収不能に陥ります。
この条項があれば、支払遅延の段階で一括請求・回収に動けます。
✅ 相手に緊張感を与えられる
「1回でも遅れたら一括請求」の条項は、支払者にとって大きなプレッシャー。支払を軽く考えない抑止力になります。
✅ 裁判でも有利に働く
未払いが続いて裁判になった場合、契約書にこの条項があることで、一括請求の正当性を証明しやすくなります。
■注意点は?
✅ 条項の条件が厳しすぎないか確認する
あまりに厳しすぎると、相手に契約を嫌がられることもあります。取引の重要度に応じて調整が必要です。
✅ 契約書を締結する前に確認・相談する
テンプレの契約書に頼りすぎると、自社に不利な内容になっている場合があります。
✅ 発動のタイミング・通知方法を整理しておく
いざ発動する際、書面通知や内容証明の準備が必要な場合があります。
■まとめ
「期限の利益喪失条項」は、支払いを受ける側の経営者にとって、売掛金や貸付金を守るための重要な条項です。
支払遅延や取引先の信用不安に備えて、契約段階からしっかり入れておくことで、資金繰りリスクを最小限に抑えられます。
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