【契約実務】販売店契約の「自動更新」と「合意更新」――どちらが得なのか?

【契約実務】
販売店契約の
「自動更新」と「合意更新」
どちらが得なのか?

こんにちは、円満契約サポートセンター行政書士の西澤です。

販売店契約書を作成・チェックしていると、必ず出てくる論点のひとつが「契約の更新方法」です。

特に、更新方法として「自動更新」にするのか「合意更新(いったん期間満了で終了し、再度合意があれば更新)」にするのかで、メーカー側と販売店側の思惑が大きく分かれます。

今回は、販売店とメーカーの立場の違いに注目して、「どちらが得か」を考えてみましょう。


自動更新・合意更新とは?

まずは用語の確認です。

  • 自動更新
    契約期間が終了した際、特に異議がなければ自動的に同じ条件で契約が継続される方式
  • 合意更新
    契約期間満了時に、両者の合意がなければ契約は終了する方式

どちらにするかで、契約関係の継続性・安定性に大きな差が出てきます。


【販売店側の立場】
「自動更新」の方が安心な理由

販売店としては、店舗設備や人材雇用など初期投資が発生することが多いため、その回収を見込んだ中長期的な安定した取引関係を望みます。

さらに、もし契約に「独占販売権」が付いている場合はなおさらです。競合他社が入り込まない地域や市場を獲得しているのですから、それを継続的に維持したいというのが当然の考え方です。

そのため、販売店にとっては――
自動更新の方が“安心・有利”なケースが多い
と言えるでしょう。


【メーカー側の立場】
「合意更新」で見直しのチャンスを確保

一方、メーカー側の立場ではどうでしょうか?

仮に、販売店が「思ったほど販売実績が伸びない」「トラブルが多い」「信頼性に欠ける」といったケースでは、できれば契約を見直したいものです。

特に、「独占販売権」を与えている場合には、

  • エリア内で他社に売ることができない
  • その販売店の能力次第で売上が左右される
    というリスクを背負うことになります。

こうした背景から、メーカーとしては――
合意更新として“見直しの余地”を持っておきたい
と考えるのが自然です。


契約実務の落としどころは?

更新方法は、両者の利害が真っ向からぶつかるポイントです。

【販売店】→ 長く安定した取引を望む → 自動更新
【メーカー】→ 信頼性の確認・見直しの余地がほしい → 合意更新

このような利害対立をどう調整するかが、契約書作成の腕の見せどころです。

たとえば以下のような工夫が考えられます。

✅ 妥協案の例

  • 自動更新をベースに、更新拒絶の通知期限を設ける(例:期間満了の3か月前までに書面通知)
  • 一定期間は自動更新、その後は合意更新とする(例:初回は自動更新、それ以降は毎年協議)
  • 独占販売権の条件に業績評価基準を入れる(未達なら契約更新せず)

自社の立場を明確にした上で戦略的に判断を

契約の更新方法は、単に形式的な条文ではなく、事業の将来に直結する重要なポイントです。

  • 初期投資や営業基盤の回収を重視する販売店にとっては「自動更新
  • 柔軟な見直しや撤退の自由を確保したいメーカーにとっては「合意更新

このように、お互いの事情と立場をふまえて、戦略的に契約書を設計することが求められます。

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