代理店業務の許諾条項、3つの落とし穴とは?―地域・独占・ノルマを見逃すな!

メーカーが代理店契約を締結する際に
見落としがちな
“許諾範囲”の設計ポイントを
わかりやすく解説します。
こんにちは、円満契約サポートセンター行政書士の西澤です。
代理店契約を締結する際、「代理店業務の実施許諾」条項は、契約の根幹とも言える重要な条項です。
特にメーカー(=甲)側にとっては、どこまでの範囲で、どの程度の独占性をもって、自社商品やサービスの販売権限を与えるのかが、事業戦略にも大きく影響します。
今回は、実務でよく見かける条文――
第●●条(代理店業務の実施許諾)
甲は乙に対して、本契約の有効期間中、乙が日本国内において甲の独占的代理店として本商標を使用し、顧客に対して代理店業務を行う権利を許諾するものとする。
こちらをベースに、チェックすべき「3つのポイント」を整理してみましょう。
✅ ポイント①:
地域は具体的に明記されていますか?
「日本国内において」――という表現はよく見かけますが、あいまいな地域指定はトラブルのもとです。
- 特定地域(例:関東エリア、関西2府4県など)に限定するのか?
- 他代理店とのすみ分けはどうなっているのか?
- 実店舗販売とオンライン販売で許諾範囲が異なるケースは?
地域の範囲を明確にしないと、別の地域に別の代理店を立てた際に「契約違反だ」とクレームになるおそれもあります。
✅ ポイント②:
独占?非独占? その違い、曖昧にしていませんか?
「独占的代理店として…」と書いてある場合、メーカーが他の代理店や直販を行うことは原則できなくなります。
これは販売戦略に大きな制限をかけるものであり、「独占」とする場合は慎重に判断すべきです。
一方、「非独占」とすれば柔軟に複数代理店を設置できますが、代理店側にとってはインセンティブが下がる可能性もあります。
➡ どちらを選ぶにしても、“明示”することが大切です。
✅ ポイント③:
ノルマとペナルティの設計はできていますか?
独占権を与えるのであれば、その見返りとして「一定の販売実績」を求めるのが通常です。
たとえば、
- 年間売上○○円以上
- 半期ごとの発注件数○○件以上
など、数値で基準を定めておくことで、未達の場合には「契約解除」「独占解除」といった手を打ちやすくなります。
曖昧な独占権付与は、“権利だけ主張して売らない代理店”を生むリスクがあります。
✍ 実施許諾条項は「契約の出発点」
「代理店業務の実施許諾」は、契約のスタート地点であり、“どこで、誰が、どのように”販売活動を行うかを決定する極めて重要な条項です。
安易なテンプレ使用や、言葉のあいまいさが大きなトラブルの原因となることも少なくありません。
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