ライセンス契約でライセンサーが押さえておくべきポイントは

ライセンス契約を締結する際に、ライセンサーが押さえておくべきポイントは以下の通りです。
ライセンスの範囲と種類
- ライセンスの範囲:どの地域や市場でライセンスが適用されるのか。地域限定なのか、グローバルなのかを明確にします。
- ライセンスの種類:独占ライセンス、非独占ライセンス、あるいは限定的なライセンスかを明確にします。独占ライセンスの場合、ライセンシーが唯一の使用者となり、他の誰もその技術や知的財産を使用できません。
2. ライセンス料と支払い条件
- ロイヤリティ:売上の一定割合や固定金額など、ライセンシーが支払うライセンス料の計算方法を決めます。
- 前払い金:契約開始時に一括で支払われる金額。
- 支払い条件:支払いの頻度や期日、遅延時のペナルティなど。
3. 知的財産の保護
- 知的財産の所有権:ライセンス供与中の知的財産権の所有者が誰であるかを明確にします。
- 知的財産の維持:特許や商標の維持費用や更新手続きの負担をどちらが負うかを定めます。
4. 使用条件と制限
- 使用用途:ライセンシーがライセンスをどのように使用できるか(製品開発、製造、販売など)を具体的に規定します。
- 制限:再ライセンスの禁止、特定の技術や製品の使用禁止など、使用に関する制限事項を明確にします。
5. 契約期間と終了条件
- 契約期間:ライセンス契約が有効である期間を明示します。
- 更新条件:契約終了後の更新の有無や条件。
- 契約終了条件:違反時の契約終了、通知期間、契約終了後の知的財産の取り扱いなど。
6. 秘密保持
- 秘密情報の定義:何が秘密情報に該当するかを明確にします。
- 秘密保持義務:ライセンシーが秘密情報をどのように扱うべきかを規定します。
- 期間:秘密保持義務が契約終了後どれくらい続くかを明示します。
7. 監査権
- 監査権:ライセンサーがライセンシーの記録や報告を監査する権利を持つかどうか。
- 監査の頻度と条件:監査の頻度や実施方法を具体的に規定します。
8. 紛争解決
- 紛争解決方法:仲裁、調停、訴訟などの紛争解決手段を規定します。
- 管轄裁判所:紛争が生じた場合にどの国または地域の裁判所が管轄となるかを明示します。
9. 補償と免責
- 補償:ライセンシーがライセンス供与された技術や知的財産を使用する際に第三者の権利を侵害した場合の補償条項。
- 免責:ライセンサーが特定の状況下で責任を負わないことを明示します。
10. 報告義務
- 報告義務:ライセンシーが定期的に売上や使用状況を報告する義務。
- 報告形式と頻度:報告の形式や頻度を具体的に規定します。
これらのポイントを押さえることで、ライセンサーは自社の権利と利益を保護し、ライセンス契約の健全な履行を確保することができます。