契約書の“定義”をあなどるな!

トラブル回避のカギを握る
最初の条項とは?
こんにちは、円満契約サポートセンター行政書士の西澤です。
契約書を読み始めると、最初のほうによく登場するのが「定義」の条項。
一見すると単なる用語の説明のように思われがちですが、実はこの「定義条項」こそが、契約書全体の解釈に大きな影響を及ぼす極めて重要なパートなのです。
今回は、契約書作成をサポートする行政書士の立場から、「定義条項」の持つ役割とその重要性についてわかりやすく解説します。
■ 「定義条項」ってどんな内容?
契約書の「定義条項」は、契約書内で使われる用語の意味や範囲を明確にするための項目です。
たとえば、以下のような表現を定義しておくことで、後の条文で曖昧さを回避できます。
- 「本製品」とは、別紙仕様書に記載されたA型・B型の装置を指すものとする。
- 「営業秘密」とは、技術情報、営業情報その他一切の非公開情報を含むものとする。
- 「本契約日」とは、当事者が署名・捺印を行った日とする。
このように、契約の当事者同士で共通認識を持つための“言葉の土台”となるのが定義条項なのです。
■ 定義条項を軽視すると、どうなる?
定義条項を曖昧にしてしまったがために、契約書の他の条文が正しく機能しなかったり、相手方との認識にズレが生じてトラブルに発展したケースも少なくありません。
【事例】
「納品物に関する瑕疵は無償で修理する」と書かれていたが、「納品物」にソフトウェアが含まれるかどうかについて合意がなく、トラブルに。
→ 「納品物」の定義に「ハードウェアおよびソフトウェアを含む」と記載していれば、こうした問題は防げたはずです。
■ 定義条項のポイントは「具体性」と「一貫性」
定義条項を作成・確認する際には、以下の2点を意識することが重要です。
- 抽象的な表現を避け、具体的に書くこと
→「業務」といった抽象的な言葉は、「〇〇業務(例:販売促進業務、マーケティング支援業務など)」と具体的に定義。 - 契約書全体で一貫して同じ意味で使われるようにすること
→同じ単語が複数の意味を持たないように整理しておく。
■ 最初の条項こそ、最も“見落とされがち”
契約書において「定義条項」は、単なる前置きではなく、契約内容全体の理解を支える土台です。
特に複数の専門用語や略語が登場する契約では、定義の有無が契約の明確さ・安全性を大きく左右します。
「定義くらい、なくても通じるだろう」
そんな油断が、将来の大きなリスクを招くこともあるのです。
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